診療内容

むし歯について

むし歯は、私たちの体で一番硬い歯が細菌によって溶かされていく病気です。

お口の中の細菌は、食べ物や飲み物に含まれる砂糖をエサにして増え、ねばねばしたかたまり(プラーク)を作ります。この中で細菌が酸を出し、その酸が歯を少しずつ溶かしていくのがむし歯の始まりです。

むし歯ができやすい場所は、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、噛み合わせの溝などです。これらの部分は歯ブラシが届きにくく、プラークが残りやすいので注意が必要です。

初めは歯の表面だけが溶けますが(初期むし歯)、そのままにすると中まで進んでしまいます。進行の程度に合わせて、つめ物や神経(歯髄)の治療などが必要になります。

 

歯周病について

歯周病は、日本人が歯を失う原因の約半分を占めると言われています。

歯と歯ぐきの境目にプラーク(細菌のかたまり)がつくと、歯ぐきが赤く腫れて炎症が起こります。そのまま放っておくと、歯を支えている骨まで壊れてしまい、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

最近では、歯周病が糖尿病や心臓病などの全身の病気、生活習慣や喫煙とも深い関係があることが分かってきています。そのため歯周病の治療や予防はとても大切です。

治療はまず、歯ぐきの状態をしっかり調べることから始まります。そのうえで、歯みがきでプラークを減らし、歯石を取り除きます。場合によっては外科的な処置が必要になることもあります。重症になると歯を残せないこともあるため、早めに気づいて治療することがとても大切です。

 

インプラント治療について

インプラント治療とは、歯を失った部分のあごの骨に、チタン製の人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療方法です。

1本だけ歯がない場合から、すべての歯を失った場合まで幅広く対応でき、見た目や噛み心地を自然な形で回復することができます。

当院では、CT撮影による三次元的な画像解析を行い、あごの骨の状態をしっかり確認したうえで治療を計画します。これにより、より安全で確実な手術を心がけています。

インプラントのメリット

  • しっかり噛める

    固定式なので入れ歯のような違和感が少なく、自然な感覚で噛むことができます。

  • 見た目が自然

    周囲の歯と調和するように作られるため、自然な口元に仕上がります。

  • 健康な歯を守れる

    ブリッジのように両隣の歯を削る必要がなく、残っている歯に負担をかけません。

  • 長持ちする可能性が高い

    きちんとケアすれば、長期的に安定した機能を保てます。

インプラントの注意点

  • 手術が必要

    外科処置を行うため、全身の健康状態によっては治療が難しい場合があります。

  • 治療期間が長め

    骨とインプラントが結合する時間が必要なため、数か月かかることがあります。

  • 治療費が保険適用外

    自費診療のため、比較的高額になります。

  • 感染に注意が必要

    インプラントは骨としっかり結合しますが、歯ぐきとの結合は天然の歯ほど強くありません。歯周病に似た「インプラント周囲炎」を防ぐためにも、毎日の歯みがきや定期的な歯科でのメンテナンスが欠かせません。

  • 骨の量が不足している場合

    インプラントを支える骨が少ないと、そのままでは治療が難しいことがあります。その際は、骨を補う治療(骨造成)を併用することもあります。

インプラント治療を受けるにあたって

インプラントは、入れ歯やブリッジに比べて自然な噛み心地や見た目を得やすい治療法ですが、その分、しっかりとした診査・診断、術後のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスがとても大切です。

患者さん一人ひとりのお口の状態や生活習慣に合わせて治療計画をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。

歯科インプラントとは、歯が無い部位の顎の骨にネジ状の人工歯根(チタンあるいはチタン合金製)を植え込み、その上部に義歯を取り付ける治療方法です。インプラント治療は1本の歯がなくなった場合から全部の歯がなくなった場合まで、適用できる治療方法です。当院では、CT撮影により、顎の3次元的な画像解析が可能ですので、より安全で確実な術式を採用しています。

 

利点: 義歯をしっかりと固定できるため、違和感が少なく、しっかり噛めることです。またインプラント治療においては、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりすることはしません。残っている歯に負担をかけずに治療を行うことができます。
欠点: インプラント埋入手術を受ける必要があるため、全身状態が良くない場合には適用が難しいこと、比較的治療期間が長く、治療費が高額であることが挙げられます。 現在のインプラントは骨には結合しますが、粘膜との結合が強くないため、天然の歯に比較すると感染に弱いとも言え、充分なケアが必要です。さらに、インプラント埋入予定部位に骨が十分に存在しない場合、治療が困難となる場合があります。

 

義歯(入れ歯およびブリッジ)

部分入れ歯: 幾本かなくなった歯やなくなった骨の一部を補い、形態や見た目の不良を回復するための入れ歯
部分入れ歯は、患者さんが取りはずして手入れができるようになっていますが、食事中に沈み込んだり浮き上がったり、会話中にはずれてしまっては困ります。そこで、入れ歯には残っている歯に引っかけるためのバネ(金具)が組み込まれています。 金具が見た目を悪くしないような工夫を凝らした特殊な部分入れ歯もあります(アタッチメント義歯、ノンクラスプ義歯、インプラント上義歯など)

 

総入れ歯: 上顎または下顎の歯をすべて失った場合の入れ歯
大雑把な説明になりますが、吸盤のような原理で歯茎に吸着させてはずれないようにしますが、顎の骨が痩せている患者さんの場合、高度な製作技術を必要であると共に、患者さんの義歯を使いこなす適応力が治療成功の鍵となります。
材料によって2つ大別されます。レジンと呼ばれるプラスチックの樹脂製のもの(健康保険適用)と、チタン等の金属製のもの(一部保険からの負担あり)です。金属の入れ歯は、薄く温度感覚に優れているので、装着感が良好です。また、壊れにくいという特徴もあります。

 

ブリッジ: 両脇の歯を土台に、人工の歯を橋のように架けて接着固定する。
歯が1~2本なくなった場合、両脇の歯がしっかりしているなら、支え(橋げた)として人工の歯を橋のように架けるものをブリッジと言います。
固定性なので違和感が少なくしっかり噛めるのが利点ですが、歯を削らなければならず、土台となる歯の負担が大きいこと、清掃が難しくなることが欠点です。

 

審美歯科

「健康できれいな口元にしたい :mrgreen: 」というご要望に対し、歯科治療としての対応には、以下のものがあります。

 

・歯の色を白くしたい

→ 薬剤を用いて白くするホワイトニング

→ 歯の一部を削って白い人工材料(セラミックや樹脂など)でかぶせる方法

・歯の形をきれいにしたい

→ 歯の一部あるいは全部を削ってきれいな形に作った人工材料でかぶせる方法

・歯肉の色や形を健康にしたい

→ 歯肉の炎症や変色を取り除き、出血や口臭をなくす処置

・歯並びをきれいにしたい

→ 矯正治療など

・歯の抜けたところにきれいな歯を入れて、よく噛めるようにしたい

→ 人工材料を用いた義歯やインプラント

 

PMTC

Professional Mechanical Tooth Cleaning の略で器械を用いて専門的に歯をきれいにすることです。
プラークコントロールとして皆さんがいつも使っておられるのは、歯ブラシや補助器具(歯間ブラシ、フロスなど)だと思います。これらは、誰でもが自宅で行うことができるものです。 しかし、食器を毎日使っているとどんなに洗っていても、茶渋などが残ってしまっていませんか? 歯も同様です。 毎日の歯みがきで届きにくいところに付いた茶渋や、煙草のヤニを専門家(歯科医師、歯科衛生士)が専用の器械を用いてきれいにする、それがPMTCです。

 

ホワイトニング

着色・変色によってくすんだ歯を削らず、薬剤を用いて白くする。

オフィスホワイトニング:

診療室で薬剤(35%程度の高濃度の過酸化水素)を用いて白くする方法

ホームホワイトニング :

自宅で薬剤(10%過酸化尿素のジェル)を、患者さんの歯並びに合わせて作ったトレーの中に入れて、歯医医師の指示に従って行う方法

小児の歯科治療について

お子さんの歯は大人の歯に比べて柔らかく、むし歯が進行しやすいのが特徴です。乳歯はやがて永久歯に生え変わりますが、乳歯のむし歯を放置すると痛みや噛み合わせの不具合、永久歯の発育に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、小児期の歯の健康管理はとても大切です。

当院では、むし歯の治療だけでなく、健康的な永久歯列が完成するまでの予防管理を重視しています。具体的には、次のような取り組みを行っています。

  • 親子ブラッシング指導

    小さなお子さんは自分だけで歯をきれいに磨くことが難しいため、保護者の方の仕上げ磨きが欠かせません。親子で一緒に楽しく歯みがきができるように、正しい磨き方やコツを丁寧にアドバイスします。

  • シーラント

    奥歯の噛み合わせ部分の溝は複雑で、食べかすや細菌がたまりやすい場所です。ここにフッ素入りの樹脂を埋めてコーティングすることで、むし歯を予防します。痛みもほとんどなく、小児期の大切な予防処置です。

  • フッ素塗布

    歯を強くし、むし歯菌の活動を抑える効果のあるフッ素を、歯の表面に定期的に塗布します。ご家庭でのフッ素入り歯みがき粉の使用と合わせると、より高い予防効果が期待できます。

口腔外科

抜歯、移植、その他小手術他、口腔外傷に対し、一次医療機関としての処置を行っています。

 

顎関節症

代表的な症状として、「あごが痛む(顎関節痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つで、このうち一つ以上の症状があり、鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎関節症」と称していますが、さらにガイドラインに則った詳しい診断が必要です。 安易な歯科治療や民間療法は治癒の妨げになる場合があります。

 

予防歯科

むし歯や歯周病などの病気を治療する必要がありますが、未然に防ぐことが大切です。

 

歯科医療も発展を続けていますが、残念ながら現在のところむし歯になってしまった部分を完全に元の歯に戻す治療はできません。

 

患者様にとって一番幸せなことは、「いつまでも自分の歯で噛めておいしく食べること、笑顔で会話を楽しめること」ではないでしょうか? そのためにも、「むし歯や歯周病で歯を失わないようにするため、また治療した歯ができるだけ長持ちし、健康状態を維持するために歯科医院へ行く」という考えをお持ちいただきたいと考えています。 当院では、個々の患者様に最適なセルフケア(日常の歯磨きなど)の支援とプロフェッショナルケア(専門的な口腔清掃と予防処置)を継続して行っております。

 

口臭治療

口臭には、誰にでも起こる一時的な「生理的な口臭」と、病気が原因となる口臭があります。朝起きた時や口が渇いた時の口臭は、うがいや歯みがきで改善するので心配はいりません。

一方、病気が関係する口臭の多くは、むし歯や歯周病、舌の汚れ(舌苔)などお口の中が原因です。まれに扁桃炎や蓄膿症、糖尿病など全身の病気が関わる場合もあります。

治療は、舌や歯に付いた汚れを取り除き、正しい歯みがき方法を身につけることから始まります。歯周病などが原因の場合は時間がかかることもありますが、原因をきちんと治療すれば改善できます。

 

歯ぎしり

歯ぎしりにはいくつかのタイプがあります。寝ている時に歯をこすり合わせたり、歯をカチカチ鳴らしたりするもの、また音はしなくても強く噛みしめるものがあります。最近では、食事以外の時に上下の歯を接触させる癖(TCH:歯列接触癖)も問題になることが分かってきました。多くの方は自覚していません。

睡眠中に歯ぎしりがある人は、朝起きた時にあごの疲れや痛み、首や肩のコリ、頭痛などを感じることがあります。長く続くと、歯がすり減ったり欠けたり、歯周病が悪化したり、あごの関節に痛みや音が出る「顎関節症」につながることもあります。

原因ははっきりとは分かっていませんが、癖の一つと考えられています。きっかけがあって始まる場合もありますが、多くは無意識に習慣化してしまいます。

治療法としては、歯やあごを守るために「ナイトガード」というマウスピースを寝る時に装着することがあります。これにより歯や関節への負担を減らすことができます。ただし、ナイトガードだけで歯ぎしりそのものが完全になくなるわけではありません。

日常生活の中で歯ぎしりや噛みしめに気づき、正しい習慣を身につけていくことも大切です。ご本人に「改善したい」という気持ちがあると、治療の効果も高まります。

 

スポーツ用マウスガード(マウスピース)

マウスガードは、歯やあご、顔をケガから守るために使う装置です。ラグビーやアメリカンフットボール、ボクシングなどのコンタクトスポーツでは装着が義務づけられており、スキーやスノーボードなどでも有効です。

市販品もありますが、歯科医院で歯型をとって作るオーダーメイドのマウスガードは、ぴったり合い、噛み合わせも安定します。スポーツの種類や個人の希望に合わせた素材や厚みで製作できるため、安全性が高くおすすめです。

マウスガードを装着することで、外傷を完全に防げるわけではありませんが、ケガの頻度や重症度を減らすことが報告されています。特に、上あごの前歯や歯ぐきの損傷防止、強い衝撃から歯やあご、頭を守る効果が期待できます。

費用は保険適用外で、種類によっておおよそ6,000円~20,000円(税別)です。

また、マウスガードの製作だけでなく、むし歯や歯周病がないか、噛み合わせに問題がないかなどの歯科チェックも重要です。必要に応じてシーズンオフに治療計画を立てることもあります。

 

ブラッシング指導

ブラッシング指導の目的は、歯垢(プラーク)を減らしてむし歯や歯周病を防ぐことです。当院では一人ひとりの歯並びやお口の状態に合わせた方法を、分かりやすく丁寧にお伝えしています。

どの部分に汚れが残りやすいかを知っていただくため、歯に色を付けて磨き残しをご覧いただく場合もあります。その上で、歯ブラシの持ち方や動かし方、歯間ブラシやフロスの使い方を実際に練習し、できるようになるまでサポートします。

毎日の磨き方が少し変わるだけで、お口の健康は大きく改善します。お子さんの仕上げ磨きや、矯正・インプラント・歯周病のある方にも、それぞれに合った方法をご案内します。

 

睡眠時無呼吸症スリープスプリント

耳鼻咽喉科などの医療機関からのご紹介で作製するケースが増えています。

単独で用いる場合もありますが、CPAP療法との併用例もあります。

 

吉田歯科医院   兵庫県西宮市瓦林町1-24   TEL:0798-68-3515